情報化情報過となり情報禍
1 ■ 情報化は情報が過ぎて禍となしていないか
1900年代からのIT(情報技術)は、
わたしたちの生活の利便性を格段に向上させています。
そして今、ビッグデータ時代に突入し、
世の中はますます情報化が急速に進んでいます。
しかしそれは、粗っぽい情報過多を生み出してもいます。
問題は、
「受け手にとって有用な情報であるか」
ではないでしょうか。
ITの裏手に隠れているヒトの情報操作が
ハードウエアに追いついていない様相が垣間見れます。
たとえば
インターネットで友人の所持していたカメラの情報を収集したとき、
その直後から、
わたくしという個人を特定して、どのページに飛ぼうとも執拗にそのカメラの広告は、
わたくしを狙い撃ちしてきます。
これって
わたくしが本当に買い望んでいる商品情報かといえば、決してそうではありません。
キーワード検索に入力する文言は、
すべてインターネットの先に居る企業に知られていて、
わたくしが現在何に興味・関心を持っているか覚られています。
気色の悪い時代になったものです。
2 ■ 通信機器はコミュニケーションツールとして問題はないか
そもそも
通信機器によるコミュニケーションは、本当に成立するものではなく、
むしろ誤解を招きやすいと思います。
目的に合わせて使うことが肝要でしょう。
にもかかわらず、企業は、
最先端の通信を通じて生活者に広告や販促の情報を送りつづけます。
3 ■ 商品情報は不完全
たとえば
生活者をターゲットに発しられる企業からの商品情報の手段として、
広告媒体をはじめ、メルマガ、電話やファクシミリ、DM(ダイレクトメール)、新聞折り込み、
投函チラシ、訪問販売員の売り込みなど様々な伝達方法が用いられています。
日々これらを通じて、企業は情報を発信しつづけますが、
その内容の多くは、自社商品の特徴ばかり語って強調し、差別化を図ります。
ビジネス(商売)競争に打ち勝つためにです。
ある種、身勝手な情報であり、
受け手にとって有用な情報であると言えないものですから、
お客の心を射るに至っていません。
このような粗悪な情報を辺り構わず性急に、そして洪水のように放出してきますから、
受け手はたまったものではありません。
決して、ウエルカムとは言えません。
4 ■ 提供情報は有用であること、そして必要とする人へ
やはり情報は、
相手にとって有用でなければならず、
「その情報が欲しい!」と手を挙げた人にのみ提供すべきなのでしょう。
5 ■ データの「質」がポイント
有用情報は、
そのデータの質が高いことが求められます。
発信する企業は、
その情報の質が提供に値するかの精査をすべきですが、多くはこれができていません。
6 ■ インテリジェンス
その質の高いデータも、
新しく加工(インテリジェンス)しなければ、
受け手の満足にはつながりません。
7 ■ インフォメーション
そして伝達(インフォメーション)のしかたです。
「伝え方は情報のため、情報は販売のため」
ということを見据えて
情報をデザイン・設計しなければなりません。
8 ■ 提供すべき情報は「ベネフィット」
伝えたいことは、
特徴や機能面の話ではなく、
その商品の価値と、
お客のベネフィット(利益・恩恵・便益・メリット・バリュー)を結ぶ
ことだと思います。
9 ■ 企業の提供情報の準備
とかく、
伝達するためのメディア(媒体・手段)や訴求方法の準備に追われ、
質の高いデータづくり、インテリジェンスまで手が回っていない
ところが多く見られます。
いわば未完成のまま各社ともに放出していますから、
情報の受け手である生活者に
購買行動や購買予定行動を起させることが十分できないまま、
お客のリビングに寄ってたかって土足で上り込んで終わりになっている ・・・ 。
お客は創り出して育てなければならないところ、
手間・時間・コストをかけて、
わざわざお客に反感を抱かせるようなことをしているように思えてなりません。
10 ■ マッチングのギャップ
お客は、
その渦中のなかからでも欲しい有用情報があるだろうと思いながらも
得ることができず仕舞いになっているのではないでしょうか。
つまり、
「マッチングすべきところ、ギャップを生み出している」
ここに情報審査会は着目しました。
ギャップを埋めることが送り手受け手双方で果たしてできるのだろうか、と。
たとえば、
ここに5社の企業からもたらされた遜色のない類似情報の対比があったとして、
このなかから生活者は一つの情報を絞り込むことで
購買行動や購買予定行動を起すことが可能となりますが、
決める条件が整っていなければ、
いつまで経っても購入の意思決定はしないでしょう。
しかも、
面倒なことは嫌でしょうから、未完成情報を精査するなどのことは、
よほどの人でない限り望めません。
ということは、
マッチングを双方で希望していても、実現しないわけです。
「決めかねる」とはこのようなことからも生まれるはずです。
11 ■ 決めかねているもうひとつの原因
1,000人中900~850人は購入の意思のない人たちという事例は随所にあります。
その95パーセントの人は
ニーズが潜在化している人も居ますが、
多くは潜在すらないケースも多々あります。
ですから、
伝えて、情報を提供し、販売しようとする企業は、
生活者のニーズやウオンツを見えるカタチで刺激する必要があります。
12 ■ 伝えたい企業と欲しいけれど得られていない生活者の狭間を埋める
生活者の手元に届く情報の中から、
生活者にとって有用と思われる情報を数社分に絞り込み、対比したうえで、
生活者にとって最適な情報を摘出するサポート ・・・
まさにこれからの情報化において、
重視されるメソッドとして注目されるのではないかと
情報審査会は着眼し、
その活動の先鞭をつけるテスト(トライ・アンド・エラー)を
浦安で開始しました。
13 ■ 浦安情報審査会(ujsk)の発足
わたくしども浦安情報審査会は、
このようなことから、
総合生活雑誌『暮らしの手帖』のように、
「価値ある情報」を複数の企業の発する情報の中の、優良・優秀な情報を摘出し、
欲しいと手を挙げた生活者に提供しよう
と思い立ちました。
ある意味市民活動的な色合いを持って、
民間人ではありながら、
企業や行政が踏み込めない領域の「狭間」の部分に立ち入って、
双方の価値やベネフィットを生み出し、
その個別の見極めで適切なと思われる情報をお伝えし、
生活者と企業双方に貢献したいと願っています。
これまでにどこにもない着眼の試みを、
有志と共に会(浦安情報審査会)を発足し、活動を開始しました。
14 ■ 呼称の成り立ち
浦安情報審査会の「浦安」は、
小会の活動エリアを浦安に限定したからです。
それほど「浦安」が好きな愉快な仲間と、
これからもこの地に根差した活動を展開して参ります。
当面はもっぱら「生活」に関するテーマをと考えていますが、
いずれ活動領域を拡大する計画から、
「生活情報審査会」とはしませんでした。
審査会の「審査」は、
生活者に向けた企業の商品情報の審査をおこなうことから、
これを用いました。
浦安情報審査会は、
このような趣旨の、民間の有志からなるグループです。
15 ■ 新しいメソッドへの挑戦
これまで述べて来たように、
このメソッド(体系的な方法・方式)は、
おそらくわたくしどもが初めてだと思われます。
ですから、
誤解もあるかもしれませんが、
へこたれず果敢にチャレンジして行き、
情報化社会の一つの新たなスタイルを確立してみたいと考えております。
16 ■ 手数料
審査依頼してきた優良企業から、アフィリエイトのようなかたちでのフィーと、
マッチングが成立したとき
生活者の方からも、1,500円(消費税込)頂戴する予定にしています。
17■ 選択した最初の課題は「3・11液状化対策」
浦安情報審査会の活動の
初めのテーマは、
3・11東日本東北太平洋地震にともなう液状化対策」としました。
丸3年を経過しましたが、
り災証明がありながら地盤復旧・沈下修正工事に決めかねているその原因の一つに、
「情報の不徹底さ」があると、
わたくしたちは読み取りました。
「既設の戸建て住宅に対する対策の決定打はない」、なか、
「工事に素人の生活者が一任されて生活者が発注している事実」と、
「決断を渋っている大きな要因」
「よくある質問の内容」
「3・11直後に下された判定は覆らない」ことについて
「工事施工会社選定基準と優良企業の見分け方」
「3・11液状化補助金の、ひとつ上の選択肢」
「軟弱な地盤を強固にすることと、三助の教え」
「次に備える意義」
「3・11ときっぱり決別すべき」
「着工を決めたときからメンテナンス完了までの安全・安心の工程」
「情報審査会の立会いチェック」
「審査会工事完了報告書」
・・・ について情報を発信させていただき、
生活者と工事施工業者発信情報とのマッチング・ギャップの穴埋めの
お役に立ちたいと思っております。
浦安情報審査会(ujsk)
有志一同